「ボー」という汽笛と共にフェリーみしまが入港してきました。ある人は荷物の受け取り、送り出し。ある人は仕事を終えて鹿児島に戻り。ある人は旅人の見送りのために。それぞれの旅が始まります。
フェリーみしまの運行サイクル
鹿児島と三島村を結ぶフェリーみしまは2日に1便。
1日目 鹿児島→三島(竹島・硫黄島・黒島二港)
2日目 三島→鹿児島
3日目 鹿児島→三島
4日目 三島→鹿児島
訪れた時の運航周期はこんな感じ。一泊で戻るか三泊するか。できれば三泊したいけれどここで戻らなければ最短二日後。初めて離島を旅するドギーのことを考えて今回は一泊を選択しました。
日帰り航海開始(平成28年~)
平成28年(2016)10月から「日帰り航海」が設定され一航海6日間になり、来島のチャンスが増えています。
1日目 鹿児島→三島→鹿児島
2日目 鹿児島→三島 ▲黒島碇泊
3日目 三島→鹿児島
4日目 鹿児島→三島→鹿児島
5日目 鹿児島→三島 ▲黒島碇泊
6日目 三島→鹿児島
これによって「二泊」も選択できるようになったのが大きい。
1日目→3日目…二泊
2日目→4日目…二泊
4日目→6日目…二泊
「一泊→一島」「二泊→二島」「三泊→三島」
人生で何度も訪れることができる場所では無いから行くことができた時は一度でやっつけておきたいところ。自分も硫黄島以外は行ったことがないのでこれを機に竹島と黒島にも上陸してみたいです。
フェリーみしま→http://mishimamura.com/livinginfo/442/
島からの旅立ち
ドギーを港に連れてったら一度やってみたかった事、
「裕次郎ごっこ」
裕ちゃんが係船柱(けいせんちゅう)に足を乗せるあの有名ポーズ。犬なのでこの乗り方ですが1歳を前にして達成しました。
フェリーが接近する時と同様船の汽笛が鳴り響きフェリーが島を離れて行きます。入港時と同様ジャンベ部隊の演奏に島の方々のお見送り。全てのサイクルがフェリーみしまを中心に回っていることが感じられる場面です。
変化する海の色
茶褐色の港の海水は船のスクリューに攪拌されて所々エメラルド色の海水が姿を現します。
海水が変色しているのは表層だけと言いますが眺めているとそのことが分かります。あのテトラの隙間に釣りの仕掛けを落としてみたい。
素晴らしい青空に活発に噴煙を上げる硫黄岳がとても映えます。
硫黄島に住んでいる島民さんにとっては離島の不便と火山の危険がいつも隣り合わせ。通常の離島より厳しい環境です。
自分たちのような旅犬&島旅人が「また来たい」と言うにはあまりにもお気楽過ぎますが、どうかまた来ることができますように。船上から風景を眺めながら島の繁栄をお願いしました。
フェリーみしまは島の東側を航海中。三島の一つである竹島に寄港してから鹿児島を目指します。
恋人岬など島内から眺める硫黄岳も良いですが個人的にはこのアングルがお勧め。山に最も近く活火山の迫力を感じることができるように思います。
世界遺産の島と活火山島
島を離れると海の色が群青色に変わります。
見えている陸地は「屋久島(やくしま)」とそこから渡航する「口永良部島(くちのえらぶじま)」
前者は宮之浦岳(みやのうらだけ/標高1,936m)を擁する世界遺産の島・屋久島。宮之浦岳を始め九州標高上位第8位までが屋久島に存在することはあまり知られていません。この青空でも高い山々に分厚い雲が掛かっているのも納得です。
口永良部島は硫黄島と同じ火山帯に位置する活火山の島。数年前に噴火してその時命からがら全島避難が行われたのは記憶に新しいところ。今は島は復旧しているのでしょうか。ドギーはもちろん飼い主もまだ行ったことがありませんが硫黄島と同じく秘湯がいくつもあるようなので、ぜひとも訪れてみたい島の一つです。
竹島に寄港して旅の終わりへ
フェリーみしまは竹島に入港。その名の通り島全体をリュウキュウチクが覆う竹の島。これまで硫黄島に来る際に島を眺めることはできていますが上陸はまだ叶っていません。
正円錐の山容はどこから眺めても美しい。フェリーみしまはこの後開聞岳に接近しながら錦江湾(きんこうわん)へ入って行きます。
登山犬ドギーと開聞岳に登った時の記事です。
離れていても迫力は十分。この部分だけ眺めているとこの島に人が暮らして千年の歴史があることが奇跡のように感じます。このあと3時間ほどの航海で鹿児島に到着。ドギーにとって初めての離島経験になった硫黄島の旅が無事に終わりました。