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そらうみ旅犬ものがたり

日本一と名高い究極の野湯<薩摩硫黄島/鹿児島県三島村>

山から下りて海へ向かう道。この先にある温泉のために旅人は硫黄島を目指すと言っても過言ではありません。そんな秘湯に向かって延びる道を進んでいます。

この道の先には日本一と名高い露天風呂がある

温泉があるロケーション

山から海に下りてきたところに「東温泉」の看板

硫黄島に来島する多くの方がこちらの温泉を目指して訪れます。ここには素敵な野湯があります。今回は山の方から下ってこの場所に来ましたが、東温泉に来るだけなら集落から海沿いに歩けば到着することができます。それだと徒歩約20分。山坂は殆どありません。

簡易舗装の遊歩道は、大きな岩の手前で行き止まり

海は鉱物が溶け出して白濁、その海水が打ち寄せる海辺は港と同じ茶褐色。所々高温の噴気が出る岩肌は木が生えず崖は崩れた岩がゴロゴロ。

そこに温泉。

硫黄島をぎゅっと凝縮したような風景がここにあります。

 

日本一の秘湯

東温泉(ひがしおんせん/鹿児島県三島村)

露天風呂では「日本一の秘湯」と名高い硫黄島の東温泉。通常「秘湯」と言えば「アクセスは徒歩のみ▲▲時間」のような山奥が多い。けれど東温泉は海辺。島にさえ訪れることが出来れば場所はオープン過ぎるロケーション。

島に来ることができるかどうか。これが全てです。

流れ落ちる湯が熱いため、湯気が上がる

東温泉の湯舟はの三本立て。高いところから湧き出た高温の温泉が低いところに分配され適温になっているところに入ることができる、というもの。ちなみに無料です。

入る時の43℃は体感熱く感じます

野湯にいきなり「ザブン!」と入るのは絶対やめましょう

かと言って手を入れて温度を確かめるのも良い方法とは言えません。高温であったり肌に刺激が強過ぎたりするためです。

野湯を目指す場合は温度計を持って行くようにしましょう。昔ながらのガラスに水銀の温度計でも良いですが旅の道中で割れてしまう可能性があります。こういう場面ではキッチン用のものが丈夫で普段は料理に使うことができて便利です。

湯温を測って適温だからと言ってそれで安心とは限りません。表面はちょうど良くても底から熱湯が湧き出ている場合があります。東温泉のように透明な湯色だったらそれもある程度分かりますが、白濁や茶褐色の湯だったりするとそれが分かりません。そんなこと言うと何もできなくなってしまいますが、大自然の中に身を置くということはそういうことです。

三つある湯船のうち湧出する湯が注ぎ込むのが一番手前。ここは熱くて入れない。そこから下に下に行った三番目の浴槽はぬるい。

ここは想像通り真ん中が適温です。少しぬるく感じたら真ん中の浴槽でも上から湯が落ちてきているところの近くに行くと心地よく入れました。

各湯舟のすぐ前は東シナ海

通常時は潮がかぶるほど低い場所ではありませんが、海が荒れてるいる時や風向きによっては高潮の危険があり入ることができません。

酸性の温泉水が流れ込む海は化学反応を起こして白濁。硫黄島周囲を航空写真で眺めていると、港や温泉があるところ以外にも様々な場所で海水が変色している地点があることがわかります。島が生きていることを色んな面から感じることができるのが硫黄島。

何飲んでも美味しいに決まっているロケーション

島の雄大さに比べれば自分なんて一介の犬連れ旅人ですが、それを肌で感じることができる東温泉はとっても素敵な場所。運良く入浴することができて東シナ海とそこに浮かぶ屋久島・口永良部島(くちのえらぶじま)を眺めながら、乾杯。
※この時は他に誰も居ませんでした

いつまでも入っていたい心地良さです。

 

その時ドギーはどうしていた

東温泉の湯舟の周りをおさんぽするドギー

野湯と言えど公衆浴場の類。犬を浴槽に入れることは叶いません。でもこの場所に来ることはなかなか叶わないだろうから、せめても湯船の周りをおさんぽ。

地元の方々によって清掃が行われていて、浴槽はいつもきれい

ドギー自身温泉や水に入るのが好きなわけではないから、飼主的にも東温泉に一緒に来ることができたのでこれで良しです。

なお、泉質はph値1.7前後の強酸性泉。仮に犬OKだとしても大丈夫かなと思えるほどの酸が強い。人間だって体質によっては熟考の上入浴するようにした方が良さそうです。

 

遠回りしたくなる帰り道

恋人岬に陽が射していました

入浴を終えて今度は海沿いの道を通って集落に戻ります。

奥の大きな岩が突き出している右側がフェリーが発着する港がある場所。離島と言えば大海原に船が着く大東諸島など、そのロケーションは必ずしも恵まれているわけではありません。

絶海の孤島を目指す旅犬ドギー<フェリーだいとう/沖縄県>

ドギーとフェリーで大東諸島を旅した時の記事です。

 

硫黄島の港は三方山で南向き。特に冬場に吹きつける北西季節風に強い点では、機能的に優れた港湾を持っていると言えます。

 

続き

絶海の孤島にかつて存在した高級リゾート

今回訪れた場所

東温泉(ひがしおんせん)

日程

平成28年(2016)2月


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