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そらうみ旅犬ものがたり

開聞岳下山後、周辺のみどころ散策<開聞岳山麓周辺/鹿児島県指宿市山川・開聞>

標高924mの薩摩富士こと開聞岳登山を達成した登山犬ドギー。山登りの疲れも見せず元気元気。せっかくの雲一つない天気。このままお休みしてしまっては勿体ない!開聞周辺をもう少し散策することにします。

開聞岳から無事に下山

日本最南端の駅

飼主お気に入りスポット

開聞岳の眺望がすばらしい鉄道の駅にやってきました。

実際のところ、ガードレール等の人口建造物はあるし、山のすそ野が遮られたりで、「遮るものが何一つない…!」というロケーションではありません。それでもここは唯一無二の存在。開聞周辺に来た時は素通りできないスポットです。

西大山駅(鹿児島県指宿市山川)

「JR日本最南端の駅」

ここは南国薩摩の最南端。緯度的にはもう一方の半島・大隅半島の方が南に位置しますが、そちらは鉄道が通っていないため薩摩半島にある鉄道が最南端ということになります。

ドギーと訪ねたい駅ばかり

JRの東西南北端の駅がズラリ。看板が比較的新しいのですが、これはある事情が絡んでいます。

ある事情とは沖縄都市モノレールことゆいレールの開業です。平成15年(2003)に開通した同線によって、西・南に関してはこれらの駅より端っこに新しい駅が出来てしまったので、「日本最●端」の称号は明け渡すことになりました。

そこで「本土最●端」としたところ、「沖縄は日本本土じゃないのかー!」との意見が寄せられてしまいました。「鉄道最●端」とするにも、モノレールだって法律上は鉄道に準拠されるため同じ事。止む無く「JR最●端」となり、新しい看板が設置されたわけです。

なお、最西端の佐世保駅に関しては、二本のレール上を走る鉄道の駅としては、更に先に最西端駅が存在します。松浦鉄道の「たびら平戸口駅」がモノレールを除く鉄道最西端駅。松浦鉄道は元々国鉄で第三セクター化された鉄道なので、JR化されていればすんなりそこが最西端駅になっていました。

JR最●端駅
北…稚内(北海道)
東…東根室(北海道)
西…佐世保(長崎)
南…西大山(鹿児島)

鉄道最●端駅 ※鉄道と準拠されるもので正真正銘の端駅
北…稚内(北海道)
東…東根室(北海道)
西…那覇空港(沖縄)
南…赤嶺(沖縄)

モノレールを除く鉄道最●端駅
北…稚内(北海道)
東…東根室(北海道)
西…たびら平戸口(長崎)
南…西大山(鹿児島)

こうして並べて見てみると、稚内・東根室の不動の強さが際立っていることがわかります。

※端っこ駅について、こちらの当サイト内で訪ねた時の事を詳しく書かせてもらっています。
日本最北端の駅とコンクリートアーチが美しいドーム型防波堤<稚内駅周辺/北海道稚内市>
http://soraumi-doggie.com/north-wakkanai-dome/

列車到達難易度はかなり高め

「最南端の駅へ鉄道で到達」
旅人として憧れますが、ダイヤを見ると現実はなかなか厳しいものがあります。また、到達して下車するにも次の列車の時刻を見ると、なかなか降り立つのをためらってしまいます。かと言って自家用車やレンタカーで来てしまうと、鉄道会社には何のメリットもありません。

そこのところ、列車によっては西大山駅に到着して、数分停車するサービスが行われているようです。こんな素晴らしい景色!写真撮りたいですもんね。

西大山駅がある指宿枕崎線(いぶすきまくらざきせん)は、指宿・山川駅から先の利用者が少なく、当区間を含む枕崎駅までの部分廃止が取り沙汰されています。この素晴らしい駅が、いつかもしかしたら廃止になるかもしれません。

開聞岳周辺の基調色は黄色

近年、駅前が舗装され、自家用車を停めやすくなりました。花壇にはパンジーが植えられていますが、全て黄色。ポストもここでは黄色。駅前の漬物屋さんの看板も黄色です。黄色はこのエリアのテーマカラー。菜の花の産地であることにちなみます。当路線ではありませんが、鹿児島中央から指宿までの快速列車の名称は「快速なのはな」。車体のカラーリングは、もちろん黄色です。

この辺り2月の菜の花が咲く時期の訪問が特におすすめ。菜の花畑と開聞岳の風景は日本有数のもの。それを目にして以来黄色が好きになり、黄色い車を購入したくらい感動しました。

西向きなので夕陽とのコラボレーションも期待できる

無人駅っていいですよね。静けさ。ここは更に開聞岳の素晴らしい山容。何時間居ても飽きません。これにお酒があれば言うこと無し。ここでご当地の芋焼酎を入れたスキットルでぷはぁとやったら、もう何もいりません。

 

薩摩一ノ宮

背後の開聞岳がご神体

お山の上からも見えていた神社へ来てみました。「薩摩一ノ宮」と言うだけあって由緒正しい佇まい。背後の開聞岳をご神体になります。

社名の「枚聞(ひらきき)」は、「開聞(かいもん)」を訓読みしたもの。日本の神さまですものね。

航海安全の神とされる

開聞岳は海から聳える立地とその優れた山容により、古くから航海神として崇められてきました。

開聞岳の近くに知覧(ちらん)という街があります。かつて「特攻隊の基地」があったところ。知覧や鹿屋の飛行場から飛び立った特攻隊員たちはまず目印となる開聞岳へ向かって針路を取り、お山を眺めて故郷や家族など愛する者に別れを告げて南海へ飛び立っていったと言います(エンジントラブル等で不時着や引き返した隊員の証言)。

島津家の庇護を受けてきたことがわかる

薩摩國にはもう一つ「新田神社(にったじんじゃ・現薩摩川内市)」が一ノ宮を名乗っており、古くから論争が絶えなかった。

そちらは宇佐八幡宮の五社別宮の一つだったため、全国的な格式の上では枚聞神社より上位。この論争においては新田神社の方が有利に扱われていたようです。そうであっても当地の守護大名・島津氏の一族は枚聞神社を篤く信仰しており、戦の前には必ず当社を参拝。御籤(みくじ)を引いて作戦を決めていたと伝わります。

神社参道は真ん中を開けて通行しましょう

現在の社殿は「島津義弘(しまづよしひろ)」公の寄進。
島津氏第17代当主、武道に長け勇猛果敢な様から「鬼島津」と呼ばれ、関ケ原の戦いにも西軍として参戦した戦国武将。合戦では壮絶な退却劇を演じ一族と自国領を死守したことで知られています。

枚聞神社での祈願によって家が途絶えることなく江戸時代を生き抜き、幕末以後の薩摩が長州と共に日本を引っ張る存在になるとは、それがほんの僅かの遠因としても枚聞神社のご利益は疑いようが無さそうです。

 

無事に下山、開聞岳を眺める場所で想う事

癒しの温泉からも眺めることができる開聞岳

全ての行動を終えて、海に近いこの場所へやって来ました。開門山麓に公衆浴場は多数ありますが、その中でここは「砂蒸し風呂」
温泉が湧く砂浜に埋められる事によって良い汗をかき、身体の老廃物を流す。登山で酷使した身体には最高の癒しです。

また来ようね開聞岳

ドギーと鹿児島を旅したのは、彼がまだ1歳にならない頃。大きくなってから連れ回すとあまりよくないと聞いたので、まだまだ仔犬の年齢でしたが連れて行くことにしました。

結果的に開聞岳登山を契機にとてもたくましくなり、以後全国を旅しても平気な犬に成長しました。犬は神社の参拝はできませんが、これも枚聞神社、ひいてはそのご神体である開聞岳のご利益だったのでしょうか。開聞岳、やっぱり素敵な場所です。

今回訪れた場所

西大山駅(にしおおやまえき)

日程

平成28年(2016)2月


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