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そらうみ旅犬ものがたり

豪快な素掘りトンネルとミステリアスな滝<大釜隧道・大釜の滝/徳島県那賀町>

旅犬ドギーは飼主のドライブの便乗員でもあります。時折「酷道」「険道」に付き合わされることがありますが、こちらは国道のトンネル。岩をくり抜いただけのワイルドな素掘りトンネルは当国道のハイライトシーンです。

酷道と名高い193号のハイライトシーン

 

国道193号

様々な顔がある国道193号

香川県高松市の中新町(なかじんちょう)交差点から、徳島県海部郡海陽町の大里(おおざと)交差点までの159.6km。
高松市内では高松空港までが「空港通り」。そこから塩江温泉までが「塩江街道」の愛称で知られていますが、国道193号自体がそこから先徳島県へ入り山間部を縦断して太平洋の近くまで抜けていることは殆ど知られていません。

それもそのはず、地図だけ見て「徳島に行ける」と思うのは危険。特に吉野川を越えてから南側はご覧のような一車線山岳道路。土砂崩れなどの通行止めも多いです。

 

四国有名酷道のハイライトシーン

山中にぱっくり口を開ける素掘りのトンネル

そんな運良く平常通行できたとして出会うことができるのがこちらのトンネル。

四国有数「酷道」のハイライトシーンは道路を立ち塞ぐ岩盤をくり抜いただけの素掘りトンネル。同じような規格のトンネルは林野庁が管理する未舗装の林道などで見ることはできますが、舗装されている国道でこのようなトンネルは珍しい。

今回は南口(海陽町側)からアクセスします。

大釜トンネル北口。便乗員の顔が見えます

南口には駐車することができる場所がないのでひとまずトンネルを通行しました。

フィットの幅…1695mm、高さ…1525mm
先に対向車がトンネル内に進入している時は、入口で通過を待ってからトンネルに入る方が賢明です。

北口付近に乗用車を一台停車することができるスペースがあり、そこに一時的に自動車を駐車します。本来はトンネルを行き交う車両が離合するためのスペース。交通量は殆どありませんが散策は最低限に留めます。

 

素掘りトンネルのおさんぽ

コンクリートの吹付等の補強無し

車を停めてドギーを連れ出して大釜隧道最大の特徴「素掘り」をドギーと堪能します。岩盤をくり抜いただけの原始的な工法のみならず、コンクリートの吹付などの補強も行われていません。地質調査の結果よほど強固な岩盤と判断されたのでしょう。

決して長くはないトンネルですが内部に電灯等はないため中央部は真っ暗。所々漏水による水たまりがあります。車両が通行する際などの振動で小石程度の落盤は頻繁にあるはずですが、路面・路肩共に落石はあまり見られませんでした。国道規格の維持管理が行われている証です。

トンネルを歩いておさんぽ

個人的な感覚なのですが真っ暗なトンネル=古いことが多いので構造が気になるところですが、不気味でもある。特にこちらのトンネルの場合通行している時に崩れないか不安があります。足早に一往復。

 

【大釜隧道】
延長…102m
幅員…4.2m
高さ…4.5m
昭和36年(1961)竣工

同年4月3日、NHK朝の連続テレビ小説(通称朝ドラ)が放送開始。第一作は「娘と私」。原作は四国愛媛にゆかりある獅子文六でした。

 

ミステリアス感が魅力の名瀑

滝と河原へ下りる階段

トンネル北口の近くにあるこちらの分かれ道。川へ下りる事ができますがここでは見事な滝を見ることができます。

大釜の滝(徳島県那賀町)

日本の滝百選の一つに選ばれている名瀑。

綺麗な水と深みのある滝つぼが印象的

落差はそれほどではないもののこの滝の特徴は水の清冽さと底が見えない滝つぼにあると思います。

その滝つぼには、

当地の主である大蛇が暮らしている
平家の落人が逃げてきた時に、追手に宝を奪われないように宝を沈めた


そんなミステリアス感と秋になると滝を覆う木々の紅葉見物が魅力の名瀑です。

今回は河原まで下りず

階段を伝って行くと河原へ下りて大釜の滝に近付くことができます。

が、ご覧の通り河原はだいぶ下。今回、大釜隧道の北口にある僅かなスペースに車を停めていることが気がかりなので散策はここまで。ドギーと一緒に滝の姿を目に焼き付けておさんぽ終了にしました。

今回訪れた場所

大釜の滝

日程

平成28年(2016)6月


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