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そらうみ旅犬ものがたり

ロングセラー菓子と同級生。山陰の小駅<大山口駅/鳥取県大山町>

旅犬ドギーと行く旅の楽しみの一つ「駅たずね」。こちらは中国地方の日本海側を東西へ横断する長大幹線「山陰本線」のとある駅。到着した列車を眺めていると反対側からも列車がやってきました。

白線(点字線)の内側で列車を待つドギー

 

大山(だいせん)観光の玄関となる駅

大山口駅(だいせんぐち/鳥取県大山町)

こちら大山口駅があるのは鳥取県西部の大山町(だいせんちょう)。

大山観光の拠点となる駅の一つ

駅名の通り鳥取県のシンボルとなる名山「大山(だいせん)」へ向かう観光拠点となる駅の一つ。この日は曇っていてお山は見えていませんが、大山は当地山陰エリアのみならず中国地方としても最高峰となる標高1,729mを誇ります。

以前大山へドギーと一緒に登った記事はこちらです。
2019,10/14 中国地方最高峰大山へ・前編<大山/鳥取県大山町ほか> 

 

ロングセラー菓子と同い年の駅は現在改装中

現在新築工事中

昭和29年(1954)完成の前駅舎は老朽化等の理由により現在建て替え工事中。

路線の開通は大正15年(1926)9月。同年同月13日、明治製菓から(現:株式会社明治)から「明治ミルクチョコレート」が発売されました。現在も「♪♪チョコレートはメ・イ・ジ♪♪」のキャッチフレーズでCM放送が行われ誰もが口ずさむことができるロングセラー商品は、大山口駅と数日違いに誕生しています。

工事に伴って仮駅舎

工事に伴って駅舎はプレハブ建ての仮駅舎。待合所としてベンチがあるほか券売機が内部に設置されています。

令和二年(2020)は記録的な暖冬で雪が全くありませんが、本来大山口駅がある山陰地方は冬は豪雪に見舞われる雪国。屋根と囲いのある設備は必須です。それは後ろに見えている跨線橋も同様。こちらは基礎は建てられた当時のもので上屋がリフォームされているようです。

 

山陰一の鉄道の街・米子(よなご)

大山口駅周辺路線図

大山口駅の位置は県都である鳥取市の中心駅「鳥取」より、県西部の島根県と接する米子市の中心駅「米子」の方が近い。

この地の鉄道は鳥取・島根を東西に結ぶ「山陰本線(さんいんほんせん)」のほか、岡山から新幹線に乗り換えて山陰・山陽の陰陽連絡を担う「伯備線(はくびせん)」、ゲゲゲの鬼太郎ロードで有名な境港(さかいみなと)へ向かう「境線(さかいせん)」など。
街の規模で言えば米子市より鳥取市や松江市の方が大きいけれど、山陰地方の列車運行上の中心となっているのが米子駅です。

大山口駅発車時刻表

鳥取方面・米子方面共に1時間に1~2本程度。特急列車(=長距離利用の乗客)が停車しないので大山観光の駅としては少々不便な感じを受けますが、大山高原へ向かう路線バスは全列車が停車する米子駅等より利便性が高い駅にも発着しています。

 

列車同士の行き違い風景

米子行きの列車が入線

米子行きの列車がやって来ました。電化されている区間が少ない山陰本線では気動車(ディーゼルカー)が主役。「デンシャ」ではなく「キシャ」です。

上下線列車交換風景

この時はちょうど鳥取行きの列車もやってきて大山口駅で行き違い風景を見ることができました。非電化区間は列車上部に架線が存在しないので、景色がすっきりしているのが魅力。

山陰本線って長大なローカル線の趣で国鉄時代の「鉄の塊」のような列車が走っているイメージがありますが、21世紀になってからすっかりリニューアル。沿線自治体との連携もあって新型車両の導入や路盤の強化によって(在来線なりの)高速運転が可能になっています。

 

各方面へ向けて発車

米子行きの列車が先に発車

大山口駅から終点米子駅まで15kmほど。薄曇りで眺望はあまり良くないですが、天気が良いと右斜め方向に米子市沿岸から境港へ向かって延びる「弓ヶ浜(ゆみがはま)」や「皆生温泉(かいけおんせん)」のホテル群が見えそうです。

続いて鳥取行きの列車が発車

鳥取行きのこちらの列車は「快速とっとりライナー」

米子-倉吉-鳥取
の鳥取県内主要都市を約2時間で結んでいます。

列車は鳥取方面に向かっていつものように発車していきましたが、

大山口駅東方で、列車が米軍艦載機に襲われる事件がありました

終戦間際の昭和20年7月28日。この地で赤十字標章を掲げた非武装の列車が米軍艦載機の機銃掃射を受ける、大変痛ましい銃撃事件が発生しました。

 

続き

戦時中、赤十字標章を付けた列車が狙われた事件

今回訪れた場所

大山口駅(だいせんぐちえき)

日程

令和2年(2020)1月


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