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2021-01-11

名峰を眺めながら鉄道旅<遊佐駅/山形県遊佐町>


旅犬ドギー、これまで何度か列車での旅を楽しませて頂いておりますが、今回は我々が暮らしている四国高松からずっと遠くの土地。県を跨ぐ列車の旅です。

今やペットの乗車券制度になった普通手回り品切符を購入して、列車旅準備万端のドギー

 

山形県最北の地・遊佐

遊佐駅(ゆざえき/山形県遊佐町)

遊佐は「ゆざ」と読みます。山形県の海があるほうを「庄内(しょうない)」と呼びますが、その庄内地方の最北。秋田県との県境に位置する街が飽海郡遊佐町(あくみぐんゆざまち)です。

遊佐駅周辺の路線図。山形県内ながら県庁所在地は秋田が一番近い

新潟-山形-秋田各県の日本海側を結ぶ羽越本線(うえつほんせん/271.7km)。遊佐はその山形県内に位置する駅。山形・秋田の県境は「女鹿駅(めがえき)」と「小砂川駅(こさがわえき)」の間にあります。

下り方向に県境越えの区間が含まれているわりには、列車運転本数が多い印象

各駅停車が「酒田-秋田」の地域輸送を担っているイメージ。羽越本線で運転されている特急いなほ7往復のうち、4本が新潟-酒田。残りの3本が新潟-秋田で運転されています。

※令和元年時点のダイヤです

 

鳥海山付近の歪な県境

遊佐町の地図。北側が秋田県との県境ですが、不思議な形に歪曲していることが分かる

遊佐町は東北地方を代表する名峰「鳥海山(ちょうかいさん/2,236m)」の南西麓に広がっていますが、その町域の北側に注目。鳥海山の山頂を遊佐町に取り込むように境界線が引かれていることが分かります。この歪な県境線は江戸時代に起こった境界論争が引き継がれているものです。

古くから山岳修行の聖地であった鳥海山は「庄内藩(しょうないはん、山形)」「矢島藩(やしまはん、秋田)」どちらの藩にとっても譲ることができない心の拠り所。元禄14年(1701)に山頂にある鳥海山大物忌神社(ちょうかいさんおおものいみじんじゃ)の建て替えをどちら側が担当するかで幕府の評定所(ひょうじょうしょ)で審議が行われるほどの騒動に発展しました。現代に置き換えると論争が最高裁判所にまで持ち込まれるイメージ。結果的に鳥海山山頂は庄内のものになり、矢島にとっては不利を被ることになります。

庄内藩は譜代大名である酒井氏が一貫して統治した14万石
矢島藩は外様大名でお家騒動により転封された生駒氏が治める1万石

庄内藩初代藩主の酒井忠勝(さかいただかつ/1594ー1647)の父・酒井忠次(さかいただつぐ/1527-1596)は徳川四天王の一人という家柄。一方の矢島藩は、江戸時代初期の失政により元々治めていた領地を没収される形でこの地に飛ばされた武将。矢島藩にとっては相手が悪過ぎたと言えます。

ちなみに矢島藩の矢島は、一説には「屋島」に由来するとも。転封(てんぽう)前の生駒氏の所領はドギーと飼主が暮らす讃岐國です。

-鳥海山の県境論争については、こちらでも書かせてもらっています。
鳥海山は誰のもの?旅犬版奥の細道<鳥海山/山形県遊佐町・秋田県にかほ市象潟>

 

名峰を望むことができる跨線橋

駅の散策には外せない跨線橋。違った景色を見ることができます

このあと特急いなほに乗車して新潟へ向かう計画。遊佐駅から特急に乗車することもできますがそれには少し時間が空くので、先に発車する各駅停車に乗って酒田まで行き、後続の特急いなほが追い付いて来る時間まで駅周辺を散策することにしました。

それにしても時間があるので、跨線橋の上からどのような景色が見えるのか上がってみようと思います。

跨線橋にはある遊佐を紹介するポスターたち

背後に聳える鳥海山が圧倒的な存在感を持っていますが、その山の恵みとして湧水が豊富なようです。

遊佐はこれまで何度か通りかかったことはありますが、街に降り立ったことはほぼありません。いつも自家用車で通過するだけ。今回も徒歩なので駅周辺だけ。なかなか来ることが難しいエリアですが湧水は好きな旅ジャンルなので、紹介ポスターを見て今度はそれを訪ねてみたくなりました。

跨線橋の上から雄大な鳥海山を眺める

残念ながらこの場所から眺める鳥海山はガラスごしになってしまうのですが、ここは展望台ではないので仕方ありません。跨線橋の役割は鉄道利用者が安全にプラットホームするためのもの。特にこちらは豪雪地帯なので囲いはとても重要。
鳥海山が見える場所に居るうちは、列車乗車中や他の駅での待ち時間で山を眺めることができる好ロケーションを探してみようと思います。

 

特急いなほ登場

下り秋田行きの特急いなほがやってきました

このエリアを旅しているとしばしばその姿を見たことがありますが、駅に入線してくる姿を見るのは初めて。こちらは下り列車なので見送るだけですが、この後の乗車に期待が高まります。

なだらかな斜面の広がりに、如何に鳥海山の山体が大きいかが分かる

特急いなほは入線して停車。この時は貨物列車との行き違いがあり停車時間が長かったので、再び跨線橋を上がって鳥海山麓に向かって発車する後ろ姿を眺めに来ました。
路線はこの先で鳥海山の丘陵を避けるように左側にある海沿いへ迂回していきます。終点の秋田まで遊佐から100km少し。

 

鳥海山眺望のハイライトシーン

酒田行きの各駅停車がやって来ました

電車の待ち時間なんて1時間あっても2時間あっても、駅を隅々まで見て回っていたらあっと言う間。いつも時間が足りません。

通り過ぎるのが勿体ない鳥海山ビューポイント

列車は遊佐駅を離れ次の「南鳥海駅」へ。この時は列車に乗ったまま通り過ぎましたが、結果的にこの景色が車窓だけなのがもったいなく感じる駅。

列車のドアが開いた瞬間を狙って撮った鳥海山ショット

米どころ庄内平野の田んぼに雄大な鳥海山の山体。残雪。雲の掛かり方も偶然ですが理想的だったように思います。今回の羽越本線の旅で見た鳥海山の中でハイライトシーンになりました。

 

酒田駅到着

おしん、おくりびと…映画やドラマのロケ地として名高い酒田

列車は終点の酒田駅に到着。ここで一度下車してドギーのおさんぽ等、この後の特急いなほ乗車に備えたいと思います。

 

遊佐駅

旅の期間

令和元年7月

 

続き


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