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2019-09-26

ドギーの生まれ故郷へ、おさんぽ旅<遊子水荷浦の段畑/愛媛県宇和島市>


宇和海の太陽を浴びるおさんぽ旅

旅犬ドギーを産んだ愛媛県。今現在暮らす香川県と異なり、県域が広く文化や地勢も様々。生まれ故郷だけれど、まだ見たことの無い景色をドギーに見せる「地元再発見」のおさんぽ旅に出かけました。

遊子水荷浦(ゆすみずがうら)へ

近年は道路改良と共に案内板が整備されました

段畑がある水荷浦(みずがうら)集落へは、宇和島市街地南部で国道56号から分かれて県道を三浦半島の方面へ進みます。

車内から段畑を眺めるドギー

国道から分かれて20分ほど。斜面に木々が植わっていない陸地が目に入ります。そこが遊子水荷浦の段畑です。

 

最後まで残った宇和海の段畑

遊子水荷浦の段畑

国指定の重要文化的景観にも選ばれている「遊子水荷浦の段畑」

集落名の水荷浦(みずがうら)は、川やため池が存在しない三浦半島において、飲料水など水資源に乏しいエリア。嫁入りなどで集落を離れても、帰省の際には「水」「荷」に戻って来るほどであったことが、地名の由来。

海と人との関わりが紹介されています

一般的に「海」と「山」で、人の行き来や特産品種類の豊富さでは、前者の方が勝っていることが多い。

が、水荷浦に関してはそうとも言えない。前述の上水事情がそうであるし、この辺り一帯で見られるようなリアス式海岸の地形においては平地が乏しく、人が住む場所はもちろん産業も興しにくい。

豊穣な海だろうから、魚なんていくらでも…

人が生きて行くためには魚だけではなく、他の栄養素が必要。
魚を獲って売ったお金で食糧を購入して生きて行くにも、売りに出る事や購入してくれる方がいて初めて成り立つ。今でこそ冷蔵冷凍技術が発達してより遠く、広範囲に魚介類を運ぶことができるようになりましたが、それは最近の事です。

 

段畑おさんぽ旅

畑の管理道路を歩くことができます

所定の場所へ車を停めて、段畑おさんぽ開始!
段畑の中腹あたりに管理道路があり、見学者が通ることができるようになっています。

築くのにどれだけの年月を要したのでしょうか

お城の石垣とは違った、庶民的と言いましょうか。不揃いな石が上手に積んで組まれた石垣であることがわかります。

城郭の建造が「仕事」だとすると、段畑の造成は「暮らし」
雇われて石垣を組むお仕事に従事する分にはそれなりの給料が支給されますが、段畑の造成は誰かに頼まれて行うものではありません。自分たちが生きて行くために必要な食糧を生産する土台として築かれたもの。
出来る事なら、誰だって畑は土地が平たい場所に作りたい。圃場が斜面にあると上り下りが大変だし、一枚当たりの面積を大きくできないので効率が悪い。今だと機械が入りにくい、という条件も付いてきます。

でも、平地に乏しい水荷浦等、南予一帯の漁村ではそれができなかった。少しでも多くの食料を得るためには、効率が悪かろうと作業効率が悪かろうと、存在する地面=ここでは斜面を開墾するほか無かった。
段畑の造成は、それ自体が賃金が発生したり食糧を得ることができる作業ではないので、他の仕事等をしながら並行して行うことになる。石という資材が頃合いにその辺りに転がっているわけでもなく、それを掘り起こしては運搬。一代でできるような代物では無く集落全体で力を合わせること、相当な年月を要したことでしょう。

結構な角度の急傾斜

段畑の管理道路からふもとを見下ろすドギー。高いところは好きじゃないくせに、興味はあるようです。

 

特産品のじゃがいも

春に収穫が行われます

現在、水荷浦の段畑で植えられている代表的な作物は「じゃがいも」
世界的に見れば水が乏しい地域で、備蓄が効く育つ作物として。国内で芋の栽培と言えば鹿児島県で代表されるように、台風被害に遭いやすい地域で地上部が飛ばされても、食用部分が地下に有って大丈夫なのがイモ植物。

それらの特性は、どちらも水荷浦の事情と合致しています。

所々乗り出してみます

いつも全ての畑にじゃがいもが植えられているわけではありませんが、この時はまだ収穫前のじゃがいも畑を見ることができました。

主な収穫時期は春なので、冬から春にかけての時期にこの場所を訪れると、じゃがいもの葉が青々とした段畑を眺めることができます。

 

半農半漁の水荷浦

沖には養殖いけすがずらり

段畑の結構上までやってきました。
この高さからふもとを見下ろすと、畑がいかに急傾斜であるかがよく分かります。

半農半漁の水荷浦集落。近年ではタイやブリ等の養殖漁業も盛ん。

漁業の悩ましい点は、獲れる時は獲れるけど、いつも同じだけ獲れるわけではない。たくさん獲れる時は周りも同じなので、そんな時に出荷してもあまりお金にならない。優れた冷凍技術によって出荷のタイミングをずらしたり、干物など加工するのが一つの手。

そして養殖。
こちらは市場の需要に対して供給量を調整することができるので、不安定さが軽減される。養殖技術も年々進歩していて、決まった時間・タイミングで給餌を行うことができる養殖魚は、いつエサを取ることができるか不安定な天然物と比べて、有利な点が数多くあるとか。

いずれにしてもこのような自然条件が厳しい場所なので、技術の進歩等によって生活が安定するのは良い事です。

 

水荷浦への公共交通機関でのアクセス

宇和島自動車のバス停はよく目立つ

遊子水荷浦の段畑へは、宇和島市内から公共交通機関でアクセスすることができます。

宇和島市街地から直通便あり

便数はこの場所にしてはあるほう。とは言え学休日の運休などがあるので、利用の際は事前に調べる必要があります。

路線バスでの旅は素敵なのですが、ここはやはり自家用車やレンタカーでのアクセスが便利です。

 


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