長野県大町市、中綱湖畔にあるカナメノイエさん。集まったみんなで晩ごはんを食べるだんらん旅人宿そらうみと似た内容のお宿さんとして気になる存在でしたが、今回訪問が叶いました。飼主と旅犬ドギーが好きな雪国へのお出かけとしてもとっても楽しみです。
ウェルカムボード
雪除けのアイテムと並べられた薪が宿屋である以上にこの場所での暮らしを物語ります。
ウェルカムボードにはその日宿泊するゲストさんの名前が記されています。これほど大きなものではありませんがそらうみと同じ歓迎アイテムに無事に到着した安心と悦び、改めて期待が高まります。
男のロマン
ガラガラ~っと扉を開けて中に入らせてもらうと大きな薪ストーブがお出迎え。
火あそびは男のロマン。それが家の中でできる薪ストーブは男なら憧れたことがあるアイテムじゃないでしょうか。ここでは長い冬を乗り切るためのマストアイテムです。
みんなで晩ごはんを作って食べるお宿
予め計画・ご用意して頂いている食材を当日集まったみんなで調理して、一緒に食べます。
到着が遅れてしまったり、料理はやったことないんだけれど…
そんなゲストさんも大丈夫。調理だけが用事ではありません。片付けや皿洗い、他にも活躍の場はたくさんあります。
今回、チームそらうみは四国高松から直行だったので海の幸を持参しました。
山国長野、海への憧れは相当だと聞いております。とっても喜んで頂けました。その日の献立は計画されていることがあると思うので、食材をお土産に持参する場合は予め相談するようにしましょう。
逆にこちらは山の幸、もしくは雪国ならではの食文化でしょうか。四国高松にも厚揚げ・油揚げはありますが、料理のメニューにそれほど調理に多用することはありません。四国でも山が多い徳島県では祖谷(いや)など山間部を中心に豆腐や油揚げが名物になっています。
旅の楽しみの一つ・地元グルメ。それには二通りあると考えていて地元産食材を用いた料理には料亭等で食べる豪華料理と、家庭で日常的に食べられているものがあると思います。どちらも地域の食文化と言って誤りではありませんが、後者の方がより生活に密着した感があるので個人的には好きです。
そうすると宿泊は豪華なホテルや旅館ではなく民宿やみんなでごはんを食べるゲストハウスさん…と、カナメさんに行きつきました。
晩ごはんの始まり
晩ごはんの準備完了。大きなこたつにゲストさん・住民、みんなが集まり始めます。
旅の悦びが凝縮されているこの瞬間。
油揚げがあって新鮮な牡蠣を持参。みんな牡蠣を食べることができるとの事だったので牡蠣ごはんも作りました。土鍋炊きの本格派。香川のそらうみで作るよりもおいしかったのは秘密です。清らかなお水と火力の違いでしょうか。
朝のおさんぽ
おはようございます。楽しくて美味しくて飲み過ぎるのはいつものことですが、ここでは寝ていては勿体ない。朝ごはん調理が始まるより少し早く起きて、カナメさんの周辺を散歩することにします。
右の建物がカナメさんで、駐車場はすぐ横。集落内、特に交差点は色んな車が踏み固めるので路面がカチンコチン。車の運転・歩行共に十分用心しましょう。
寒冷地では駐車時にサイドブレーキ使用は禁物。翌朝凍って解除できなくなります。駐車時のギアをバックに入れるか、オートマならPに入れて駐車するようにしましょう。タイヤに輪留めをしておくと猶良しです。
カナメさんから徒歩圏内にある「サンアルピナ鹿島槍スキー場」
最初見た時一面だけのスキー場かと思いきや、ゲレンデは見えている山の向こう。リフトに乗り山を越えると広大なゲレンデが広がっているようです。
集落をぐるりと一周して戻ってきたところ。玄関外で目に入った温度計「-10度」
カナメノイエさんがある場所は海抜約800m。雪が多いのもですが寒さも相当厳しいことがわかります。
「いやー、今朝もすごい冷え込みですね」
*「この時期はこんなもんですよ。もっと天気良い朝は-20度とか」
カナメノイエさんの朝ごはん
散歩から帰ってくると朝ごはんの調理が始まっていました。
朝ごはんも晩ごはんと同様、個食ではなくみんなで取り分けるスタイル。大きい卵焼きに期待が高まります。
チームそらうみは朝からうどんを打つことにしました。玉は前夜にこねて、踏んで、寝かせて。翌朝伸ばして切るところ。
これがどっこい、作業がかなり滞ってしまい食べるのを遅くしてしまいました。ごめんなさい。
厳寒地のこの場所でのうどんづくりは、寒いな~くらいの香川でやるのとは同じようにいかないことを知ります。気温が低く乾燥するこの場所においては水が少なかった。なので、玉が硬くて硬くて伸ばすのに苦戦。台が壊れるんじゃないかという馬鹿力をもってうどん麺にすることができました。
雨でも、風でも、晴れでも、寒くても。どんな天候でも、いつも通りうどんを打ってうどんを食べさせてくれる讃岐うどん屋さん尊敬。
朝ごはんだんらん
こうやって都度集まる機会があることで、自然にコミュニケーションを取ることができて何より旅の思い出として心に刻まれます。相部屋という性質上、みんなが顔を合わせておくことで安心と防犯面に大いにプラスです。
中はこたつとだんらんでぬくぬくですが外は氷点下を大きく下回る白銀の世界。なかなか出発することができません。
その点だんらん旅人宿そらうみへ来られる旅人さんは、朝早くに起きて離島へ行ったりさぬきうどん店へ向かったり。高松を足掛かりに四国でももっと遠いエリアへ向かう方だったり。お遍路さんの朝も早い。
ところ変われば旅のスタイルが変わるなあと思いながら、一晩の宿をとても楽しく過ごさせて頂きました。
(ドギーはゲージに入れて玄関に置かせて頂きました)