うちのドギー、毛がフサフサであるように夏は苦手ですが、冬や寒いのは大好き。彼と飼い主にとっては、冬こそお出かけのシーズンです。日本一の豪雪地帯を旅するべく、信越国境へ向かいました。
県境の橋
国道117号を長野・飯山方面から新潟・十日町方面へ向かって走って来たところ。
こちらの場所では一般的には信濃川が長野県・新潟県の県境になっているとされますが、厳密にはこの部分は新潟県。県境線は上の写真のT字路交差点手前、「新潟県」の標識や横断歩道がある手前(=長野寄り)。県境の橋のように思える「宮野原橋」はまるっと新潟県内の橋になります。
両側に歩道があって、下流側の道が除雪されていたのでそこを歩いてみます。
日本一の大河
地理の授業で習った日本一長い川・信濃川(しなのがわ)
源流は山梨・埼玉・長野の三県境付近。甲斐・武蔵・信濃に跨ることから名づけられた甲武信ヶ岳(こぶしがたけ・2,475m)の長野県側の斜面に発する。東信(とうしん、長野県東部)エリアから佐久市付近の佐久平、上田市付近の上田盆地などで他河川と合流しながら、長野市付近の善光寺平で松本盆地から流れて来る犀川(さいがわ)と合流。ここに長野県最大の河川を形成する。上杉謙信・武田信玄らが幾度も戦を交えた川中島(かわなかじま)は、その地点。そこから川は北信(ほくしん、長野県北部)エリアを北上。飯山、野沢温泉などスキー場と温泉が点在する地域を流れながら、この場所に到達します。
信濃川は新潟県での呼び名で、長野県での呼称は「千曲川(ちくまがわ)」。まさにこの場所、南から志久見川が流れ込む地点が県境であり、千曲川から信濃川へ呼び名が変わります。
水系名は信濃川水系。
「日本一長い川」と言う時には信濃川の呼称が用いられますが、全長367kmのうち
千曲川…214km =長野県部分
信濃川…153km =新潟県部分
千曲川と呼ばれている部分の方が長い。
長野県の学校では、
*「日本一長い川は?」
では、どちらの呼び名で教えているのでしょうね。
今の自分だったら、その問いには「千曲川」と回答してみたい。
忘れられた被災地
宮野原橋から長野県側を眺めたところ。県境線は横断歩道と黄色い車が止まっている辺りです。
新潟県側の県境標識と比べて、長野県側は簡素。自治体が独自に設定したものでは無く、国交省の規格品です。
信越国境の町・栄村は、もう殆どの方が忘れてしまっているでしょうが、3.11の東日本大震災から約半日後の3月12日未明に震度6強を観測した「長野県北部地震」が発生した場所。先に発生した東日本大震災の影響があまりにも大き過ぎたため、全く報道されることなく忘れられてしまった感があります。日本一の豪雪地帯での冬期の大地震発生は、この地で暮らす人々にとっては大きな不便と不安をきたしたことと察します。
日本一の豪雪地帯
県境エリアではよく見られる、路線バスの越県乗り入れ。この場所には公共交通機関でやってくることができます。
その起点となるのがJR飯山線の「森宮野原駅(もりみやのはらえき)」
区切り方は「森」「宮野原」。それぞれ長野県栄村・新潟県津南町の小字(こあざ)から取られています。森宮野原駅は、昭和20年2月12日に積雪7.85mを記録した「JR日本最高積雪地点」。駅にはそのことを知らせる積雪記録と同じ標柱が立てられています。
お隣新潟県の津南町(つなんまち)では、数年前にとんでもない量の雪が降り積もったことが記憶に新しい。まさしく日本一の豪雪地帯です。
長野・新潟達成
除雪後に積まれた雪は道路に多数残っていたものの、この時は更に雪が降るようなことは無く無事に到達。長野から新潟へ通り抜けることができました。