熊本・大分・福岡・佐賀に跨って流れる九州一の大河・筑後川。全長143kmに及ぶ川の旅が終わる河口近くにこちらの鉄橋があります。
九州一の大河に架かる現役可動橋
筑後川昇開橋は元々鉄道の鉄橋で昭和10年(1935)5月に国鉄佐賀線の筑後川に架かる橋梁として開通しました。
独特の形状は中央部が上下に可動する跳ね橋によるものですが、当時は重要な交通路であった筑後川の舟運と共存しつつ潮位変動が大きい有明海の干満の影響を考慮して橋の中央部が高く持ち上がるこちらの構造が採用されたそうです。
国内に現存するその多くは東京の勝鬨橋(※現在は可動停止)のように片方だけが持ち上がる跳開橋(ちょうかいきょう)という構造が多い中で、両方のアームが持ち上がる昇開橋と呼ばれる構造は珍しく同構造の橋としては当橋が国内現存最古のものとなっています。
鉄道自体はJR化を待たずに昭和62年(1987)3月に佐賀線が廃線になり建設省から鉄橋の撤去勧告がなされるも、地元の存続運動などにより解体を免れ左岸の大川市に無償譲渡。平成8年(1996)に遊歩道として復活しました。
橋の昇降は現在も行われていて日中に可動部が下りている時間帯には通行することが可能。福岡県大川市から佐賀県佐賀市(旧諸富町)を行き来する遊歩道として両岸の住民を中心に親しまれています。
橋の全長:507.2m
可動部分の長さ:24.2m
昇降差:23m
昇開橋とドギー・佐賀県側より
残念ながらペットは橋を通行することができないのでいつも昇開橋バックの写真になりますが、おさんぽ環境としてはとてもよいところです。
前回旅した時の記事はこちらです。