2023年1月24日。日本列島が広範囲にわたって寒波に見舞われました。

特急南風、雪景色の吉野川を渡る
この時は普段雪があまり積もることがない四国地方でも暴風雪等があり、本州四国連絡橋の瀬戸大橋ルートや明石鳴門大橋が通行止め。高知から岡山へ向かうJRの特急南風も四国内折り返し運転になっていました。
難工事を極めた兄弟橋

特急南風が走行する土讃線は、徳島県/高知県の県境に接する区間で四国一の大河である吉野川の険しい峡谷に沿う形で敷設されています。ユニークな駅名で知られる小歩危(こぼけ)・大歩危(おおぼけ)は当区間にあり、ネタとして風光明媚な車窓として乗客を楽しませてくれます。
当区間で列車は吉野川を2度通過するのですが、そのうちの一つがこちら第一吉野川橋りょうです。

鋼鉄製橋桁(プレートガーダー)/曲弦トラス/鋼鉄製橋桁(プレートガーダー)
これらの鋼材を両河岸から長く伸びる橋脚が支えます。土讃線の鉄橋と言えばここより上流に架かる第二吉野川橋梁が撮り鉄スポットとして有名ですが、そちらとはトラス前後の長さに違いがあるだけで構造的には同じもの。この二橋は兄弟橋と言えます。
高知県が他県と繋がった日

香川県(徳島県を含む)・高知県
双方から工事が進められ残る未開通区間は県境の約50kmとなります。この区間は前述の通り自然条件が厳しく難工事を極めました。その中でも最大の工事になったのが第一吉野川橋梁(※こちらの橋)・第二吉野川橋梁です。
これらの鉄橋の完成により土讃線が一本に繋がり、当時海路以外の公共交通機関を持たない高知県にとって県外との陸上交通機関が繋がった瞬間でもありました。昭和10年(1935)11月の事です。