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そらうみ旅犬ものがたり

レトロな石積み橋脚の鉄橋<土器川橋りょう/香川県まんのう町>

こんぴらさんへ向かうことでん琴平線のクライマックスシーンと言えるのがこちらの鉄橋。素晴らしい景色を眺めることができますが、橋自体にも見どころ多数です。

香川県唯一の一級河川に架かることでんの鉄橋

 

レトロな石積み橋脚の鉄橋

名称:土器川橋りょう
所在地:香川県まんのう町
所属路線:高松琴平電気鉄道琴平線
竣工年:大正15年(1926) ※運転開始は昭和2年(1927)3月

県都高松から「讃岐のこんぴらさん」こと金刀比羅宮(ことひらぐう)へのアクセスを担う高松琴平電気鉄道(以下ことでん)。琴平駅が近づき神社がある象頭山の山容が大きく見え始めたころにこちらの鉄橋があります。

大きな河川が存在しない香川県において唯一一級河川を名乗る川が土器川(どきがわ)。ことでんはこの川を16基の橋脚とプレートガーダーの鉄橋で通過します。橋の竣工は大正15年(1926)。翌年の滝宮(たきのみや)-琴平の延伸に伴って供用が開始され、ほぼ当時の姿のまま現在も使用されています。

橋脚に用いられているのは石材。コンクリート製の土台上に切石を積み上げ目地をコンクリートで充填した構造は一宮-円座間に架かる香東川橋梁と全く同じ仕様。これらの鉄橋はことでんの路線開業に際して同時期に架けられたことを物語っています。全長は土器川橋梁のほうが少しだけ長くなっています。

川の中の橋脚二基に嵩上げ補修が行われた痕が見られます

多くの橋脚は川の両岸に立っていますが、川の中に立っているいくつかの橋脚に補強した痕跡を見ることができます。この補修後は香東川橋梁でも目にすることができますがその方法が若干異なっていて、土器川橋梁のほうがやや大掛かりな印象を受けます。

一般的に鉄道橋の資材は、

切石→煉瓦→コンクリート
と土木技術の発達に応じて変化していったようで、ことでんより早い明治22年(1889)に建設された土讃線(現JR)の橋脚には煉瓦が多く見られます。煉瓦はもちろん既にコンクリートが登場していた大正末期に石材を主資材に用いて鉄橋が架けられたのは珍しい例かもしれません。

今回訪れた場所

土器川橋りょう(どきがわきょうりょう)

日程

令和4年(2022)3月


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