河佐峡と書いて 「かわさきょう」と読みます。下流にある広島県東部の都市・福山で瀬戸内海へ流れ出る芦田川の上流部に位置する峡谷。その峡谷に架かるコンクリート橋の一部にレールが残されています。
峡谷に設置されたダムと福塩線旧線
この場所にはかつて鉄道が走っていました。とは言え廃止になったのではなく、平成元年(1989)4月に八田原ダム建設に起因するルート変更によって当地を走っている福塩線が付け替えられ、従来のルートは使用されなくなりました。
かつての福塩線は第九芦田川橋りょうを渡った先でその先にある苦谷山トンネルへ進んで行きました。現在トンネルは内部で封鎖され出口があった場所はダムの底になります。またトンネルを出た先に設置されていた八田原駅は新線切替に伴って廃止され、同じくダム底に眠っています。
存廃の岐路に立たされている福塩北線
河佐峡最寄りの河佐駅に福塩線の列車が到着しました。現在当区間を走る列車は一日当たり5~6本という閑散区間になっていて、路線の存廃が取り沙汰されています。河佐駅を発車した列車が渡るのは第七芦田川橋りょう。こちらの橋とトンネルを通った先で新線に分岐して全長6,123mの八田原トンネルを通りダムを回避します。