秘境駅として全国的に名高いこちらの駅は、列車の好俯瞰スポットでもあります。上下特急列車の走行を眺めました。
雪に覆われた秘境駅を通過する特急列車
名称:坪尻駅(つぼじりえき)
所在地:徳島県三好市池田町
所属路線:土讃線(JR四国)
開業年:昭和25年(1950)1月
徳島県西部の山間。高校野球で名を馳せた池田高校がある街の山奥、香川県との県境近い位置にこちらの駅があります。
標高が高い山間部に位置するため冬になると雪が積もる事は珍しくありません。箸蔵駅を出た列車、もしくは香川県側から猪之鼻峠を越えて来た列車が通り掛かる場所がこちら。
なんでこんなところに駅が!?
のような存在を一部では「秘境駅(ひきょうえき)」と呼んだりしますが、その範疇においては全国的な知名度を誇るのが坪尻駅です。
秘境駅という言葉を世に知らしめた牛山隆信氏によると、
・秘境度
・雰囲気
・列車到達難易度
・車到達難易度
・鉄道遺産指数
これらの要素を採点基準に順位がつけられていますが、それによると坪尻駅は全国5位との事。もちろんそれは牛山氏個人の主観によるものですが、どうでしょう。自分がランキングをつけるとすれば、
・秘境度 ★★★★☆
・雰囲気 ★★★★★
・列車到達難易度 ★★★★☆
・車到達難易度 ★★★★★
・鉄道遺産指数 ★★★☆☆ (★が多いほど秘境度が高い、難しい、鉄道遺産が豊富)
山深いようですが街(池田や琴平)は意外と近く、列車の発着本数(5往復前後)は少ないと言えば少ないですが全国にはもっと少ない駅も存在するので、そこは★を一つ減らして。駅に列車が発着するためにはスイッチバックを行わないといけない点は大きな個性です。
坪尻駅最大のセールスポイントは「隣接している車道がない点」。旧32号から坪尻駅へアクセスしようとすると約600mの山道を歩かないといけませんし、反対側の山道もそれと同じくらいの距離。
坪尻駅は初めから駅ではなく信号所だったものが、国道の反対側にある山の上で暮らす住民らの請願によって駅に昇格したもの。その当時は集落に車道が通じていなかったため列車を利用するしか無く、駅を利用する行商人や通学客らで列車発着時は賑わっていたようです。しかしながら時代と共に車道が整備され駅を利用する住民は減っていった。平成9年(1997)6月に探偵!ナイトスクープに「この駅の乗降客数を調べて欲しい」という依頼があった時は、確か一組の夫婦が出掛け戻ってきたのべ4名だったように記憶しています。
今は常用の利用者は限りなくゼロに近いと思われますがそれがかえって「秘境駅」として有名になり、列車の車窓からでも鉄道ファンの姿を見ることができます。また土讃線を運行される観光列車の中には坪尻駅に降り立つ時間を設けているものも見られます。
今回は雪深いので駅へ降り立つのは自重して、坪尻駅を眺望することができる丘の上からドローンを飛ばして特急列車の行き来を見守りました。
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坪尻駅の一つ手前の箸蔵駅を同時期に訪れた時の記事です。