日本は世界的に見れば雪が多い国になりますが、その中である日本記録を持つ駅が長野県と新潟県の県境に接する地域にあります。
積雪7.85mを記録したことがある雪国ローカル線の駅
日本有数の豪雪地帯を走る飯山線の中に森宮野原(もりみやのはら)駅。
森…長野県栄村
宮野原…新潟県津南町
それぞれの集落名を合成した駅名。駅自体は長野県にあり両県県境はすぐ近くにあります。
戦時中に記録された駅積雪日本一記録
飯山線自体が豪雪地帯路線世界トップレベルと言っても過言ではない雪深いエリアですが、この場所で日本一が記録されたのが昭和20年(1945)2月12日の事。森宮野原駅に積もった雪の量が7.85mを記録しました。この数字がどれだけの高さなのかは駅の北側に立っている柱がそれになります。
この辺りの地域では出入口が2階にも付いていて雪が多い時はそこから出入りするなんてことはよくある話ですが、この積雪量は2階の床の高さは優に超えてます。一般的な家屋の1階層の高さは約3mなので、7.85mという高さは2階の天井も越えて3階の半分よりまだ上という高さ。集落全体に等しくそれだけの雪が積もったというわけではないにしても、雪の上に顔を出していた建物はあるのかな、という雪の量です。
そんな災害レベルの雪が積もったわけですが、時は第二次世界大戦末期。森宮野原駅が豪雪に遭っていた4日後の2月16日には米軍が硫黄島に上陸。日米大激戦になった硫黄島の戦いが勃発しています。
この時代の報道機関は新聞かラジオですが、当時駅豪雪日本一を記録したニュースを扱うメディアは全く無かったようです(全国メディアの場合。長野版等では報道されたかもしれません)。
似たような話で戦時中に国内で発生した大地震は、敵国が戦略を立てる上で有利な情報を提供してしまう恐れがあり徹底的に隠蔽されたことを考えると、豪雪災害も同じ類だったのかもしれません。
それらの事情がありこの豪雪による被害等は記録があまり残されていないようで、当地でどのような困難があったのか現在も不明なままです。
豪雪日本一の駅に上陸したドギー
寒いのと雪は好きなうちのドギー。駐車場に積もっている(除けられている)雪の中に犬なら立つことができそうな平らな部分があったので、ドギーに一役買って出てもらいました。ドギーがいる地点がだいたい2mくらい。7cmでさえ積もらない四国高松で暮らしていると、2mはもちろん積雪7.85mの世界なんて想像がつきません。