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そらうみ旅犬ものがたり

巨大な岩の上から眺める列車のスイッチバック<遠軽駅と瞰望岩/北海道遠軽町>

道東の山間部に位置する遠軽の語源はアイヌ語で「眺めるところ」を意味する「インカルシ」。瞰望岩(がんぼういわ)からの景色に由来する地名とされます。

街のシンボルは遠軽駅の背後に聳える瞰望岩。実際にその場所では古くから見張りが行われていたようです

 

巨大な岩の上から眺める列車のスイッチバック

近世の遠軽は海側・山側から伸びてくる鉄道の結節点として発展しました。

現在は旭川を過ぎた列車は東へ向かい険しい石北越えを経て遠軽に到達しますが、この地に鉄道が開業した当時はそのルートではなく、旭川から一旦北へ向かい名寄(なよろ)で分岐してオホーツク海沿岸を走りながらこの場所にやってくるというルートでした。その路線の名称は名寄本線(なよろほんせん)と言いますが、平成元年(1989)5月に廃止になり現在は存在しません。本線を名乗りながら廃止になった数少ない例です。

遠軽駅と瞰望岩の位置関係。かつてはここから北へも鉄道路線が伸びていた

名寄本線が開通したのち西から石北線が伸びてきて遠軽駅に接続されたため、石北線の列車がここから北見・網走方面へ向かうためには方向転換を行う必要が生じました。
名寄本線が廃線になった今となっては遠軽から北へ向かう線路は存在しないので駅の位置と線路を敷き直せばスイッチバックは解消されますが、費用や用地の面などからその話が浮上している様子はなく平面のスイッチバックとして運用され続けています。

旭川-網走を走る特急大雪。札幌-網走を通しで走る特急オホーツクも当駅にやってきます

瞰望岩から遠軽の街を眺めていると北見方面から旭川行きの特急大雪がやってきました。この先へ進むために列車は一旦遠軽駅に入り進行方向の転換を行います。

右上が北見方面、右下が旭川方面、左が遠軽駅(列車が行った後に撮りました)

それまで最後尾だった車両が先頭に変わり改めて出発。分岐を経て新しい方向へ走り始めました。

瞰望岩からは列車がスイッチバックする一部始終を眺めることができます。

 

ドギーと瞰望岩

瞰望岩から遠軽の街を見下ろすドギー。すぐ先は崖

瞰望岩へは自家用車で近くまで行くことができます。車を停めて降りて歩くこと数分でこの場所に到着。

瞰望岩は景観等を重視して安全柵等がありません。現地へ行くと柵が設けられていない理由が記されています。

各自安全に注意して岩からの眺めを満喫するということで、ドギーもその眺望を楽しませてもらいました。

今回訪れた場所

瞰望岩(がんぼういわ)

日程

令和5年(2022)5月


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