香川・徳島の県境に接することから境目の地名が付けられた場所にこちらの銀杏の大木があります。
阿讃國境の銀杏の大木
境目の大銀杏
樹齢:約600年・雌株
幹囲:約8m
高さ:約25m
昭和35年9月徳島県の天然記念物に指定
四国八十八ヶ所結願の寺・第88番大窪寺から東へ約4km進んだ地点。お遍路さんにとっては阿波へ向かうか讃岐を進むかを選択する分かれ道でもあります。銀杏自体は全て徳島県側に所在。すぐ近くに県境を表す標識や遍路の鉄人・中務茂兵衛氏が晩年に立てた標石が残されています。
中務茂兵衛標石については下記の別サイトで書かせてもらっています。
【阿波-讃岐の県境「境目」】中務茂兵衛、生きて四国遍路を回った証、最後の標石
戦国武将といちょうさん
慶長年間に勃発した大坂夏の陣(1614年)において大坂城落城後、豊臣方の西軍に参戦していた生駒正信公は自身が治める讃岐東部のこの地に落ち延びたと言われます。しかしながら徳川方の残党狩りに発見され境目の大銀杏の木の下で切腹自害を果たしたと伝わります。
銀杏の大木からは気根(きこん)と呼ばれる根の一種が無数に露出していて、その様から女性の守り神に例えられます。大銀杏の根元に米一合を供えて願掛けをすると乳出がよくなるご利益があるとされ、当地のみならず近郷の集落やこの場所を行き交う旅人にも信仰されてきたことが案内看板に記されています。