四国最長を誇る吉野川の中流域にこちらの橋がありますが、明治44年旧暦4月8日の開通は原位置にある道路用のトラス橋としては日本国内で最も古いものです。
国内最古の道路トラス橋を見ることができるのは今だけ
高知県大豊町で西から来た吉野川と南から来た穴内川が合流しますが、その地点にこちらの橋が架けられています。
昭和29年(1954)に発生した地滑り災害により損傷。昭和33年(1958)に下流側に架けられた新橋開通に伴い廃橋になりました。こちらの橋にはトラスを支える橋台が一脚川の中に立っていますが、それがトラスを受ける部分を中心にその災害時の痕跡を見ることができます。
廃橋になった吉野川橋は、昭和60年(1985)に鋼板を敷きフェンスを設置して人道橋として再利用されますが、橋自体の危険度が高まったことなどにより平成14年(2002)に再び通行止めになり現在に至ります。
明治の架橋技術を現在に伝えるものとして貴重な存在ですが、保存についての対策が施されていないこともあり、朽ちるに任せる状態になっています。