2024年の高松の梅雨は雨が降って梅雨入り宣言が出されてから一向に雨が降らず、降ると思ったら線状降水帯の予測が出るようなまとまった雨。昨今のメリハリの有り過ぎる天候だなあと思いながら、それが無事に過ぎると快晴になりました。
夏至が近い時期の高松港の夕焼け「高松港/香川県高松市」
一般的に空の状態は気温が低いときのほうが良く、このように暑い時期に夕日撮影に出かけることは滅多にありません。ですが今日は千載一遇のチャンスを感じたのでやってきました。その読み通り夕日は素晴らしいものがありました。
あと数日で夏至なので夕日はもう少し北(右)へ進みます。夏の夕方にこの場所へ来たのは初めてなので、瀬戸大橋より右に太陽が沈むのが新鮮な感じです。
夏至を過ぎるとその日を境に太陽は冬至まで南(左)に移動していきます。今度は瀬戸大橋に架かる時期に来てみたくなりました。
20年前に高松に来た時より、ざっくり1/100くらいの船舶数じゃないでしょうか。そのことに寂しさを感じました。
実は高松から日本百名山が3つ見えている
讃岐山脈の向こうに剣山(1,955m)と次郎笈(じろうぎゅう・1,930m)が見えます。そこから右へ目をやると離れた位置に三嶺(みうね・1,894m)も確認することができます。
剣山は直線距離にすると高松から遠くは無いので難しくはなく、平地の高松市街地からでも見える場所があります。見えている面は山の北斜面で高山ゆえ冬にはそこだけ冠雪した姿である事も多く、より確認しやすくなります。
なお西日本には標高2,000mを越える山はありませんが、
石鎚山(1,982m・愛媛県) ※西日本最高峰
剣山(1,955m・徳島県) ※徳島県最高峰
宮之浦岳(1,936m・鹿児島県) ※九州最高峰
次郎笈(1,930m・徳島県)
二ノ森(1,929m・愛媛県)
三嶺(1,894m・徳島県/高知県) ※高知県最高峰
大山(1,729m・鳥取県) ※中国地方最高峰
太字は高松から見える山
西日本標高上位五傑はその多くが四国に点在しています。
石鎚山と言えば松山市や西条市など愛媛県の中予から東予にかけてよく見えるイメージがありますが、香川県からも見えます。とりわけ西讃(せいさん、香川県西部)の三豊市・観音寺市は平地でも見えます。
正真正銘愛媛県の山ではありますが、
「高松市街地の後方に見える山」
これも間違いではありません。流石に高松から見ようとすると高い場所へ行く必要があり、ある程度の気象条件が必要になります。ちなみに石鎚山の山頂から高松の山も見えています。
左に向かって稜線が伸び雲が掛かっている左端部分が石鎚山。その一枚前で背中合わせになるように右に向かって稜線が伸びている山は象頭山(ぞうずさん、538m)。
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金毘羅船々 追風(おいて)に帆かけて シュラシュシュシュ
まわれば 四国は讃州那珂の郡
象頭山(ぞうずさん)金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん)
一度まわれば
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象頭山は「金毘羅船々(こんぷらふねふね)」で歌われるこんぴらさん(金刀比羅宮)があるお山です。
更にその象頭山の一枚前に綺麗な円錐型の山がありますが、こちらは讃岐七富士の一つ六ツ目山(317m)。いつも勝手に「そらうみ富士」と呼んでいる、当宿の真正面に見えているお山です。
これが最も意外なところではないでしょうか。経験上写真が無ければ誰も信じてくれません。直線距離にするとそれほどの距離ではないのですが、瀬戸内海から山陰が見えると言ってもピンと来ないのも無理はありません。
高松から大山を見える条件は相当厳しいものがあり、空の状態良さそうと思った日に10回通って1回見れるかどうか。私自身も2回見れただけなので決して偉そうなことは言えませんが、
・よく晴れた冬の早朝
・よく晴れた秋の夕方
・寒ければ寒いほど良い
こんなところでしょうか。今回は「よく晴れた夏の夕方」に見れたのがとっても意外です。
遠くの景色を見る時の覚書
清少納言が記した枕草子の序文に、
春は、あけぼの-
夏は、夜-
秋は、夕暮-
冬は、つとめて-
という有名な部分がありますが、まさにこの通りです。景色を見たり撮ったりする場合、経験上秋のゆふぐれ時がお勧めです。
それでいくと高松がある瀬戸内海沿岸は夏は湿度が高く夕方になると風が止むことが多いので、夏に風景観察は適しているとは言えません。それゆえ夏至近いこの時期に大山が見えたのは奇跡の出来事でした。