toggle
2019-09-16

囲炉裏端でみんなで晩ごはんの古民家宿<苫屋/岩手県野田村>


囲炉裏で焼いている魚はホウボウ

串に刺したおさかなを、囲炉裏で炙って食べる。シンプルだけれどとっても貴重な体験ができるお宿が、東北岩手にあります。

予約方法は往復はがき

伝統的な地域古民家

その宿があるのは、東北岩手。日本一面積が広い岩手県の海沿い。青森県が近い県北部に位置します。

お宿の建物は「南部曲がり家」と呼ばれる、当地伝統の古民家。現在は殆ど見られなくなった家屋の形ですが、苫屋(とまや)さんはその伝統を受け継いでいます。

予約の方法は往復はがきのみ

苫屋さんの予約は「往復はがき」一択。電話やメールはありません。

理由を尋ねると「始めた時がその方式だったから」
そうです。

往復はがき、書き方分かりますか。今でも使用される場面は、同窓会の出欠を知らせる時でしょうか。
そらうみがある香川県だと、「イサムノグチ庭園美術館」が往復はがきで予約を行います。希望日をいくつか記して、その可否が送られてくる。苫屋さんもその方式です。

字は人を表すもので、それを見て若そうだったらごはんのボリュームを増やしたり…と、工夫されているそうです。

 

曲がり家内部

奥が客室

内部は、玄関をくぐると右と左に分かれます。

右は客室。居間や台所から離れた場所になるので、元々はお蚕さんを飼ったり、家畜を飼育する場所だったのかもしれません。きれいにリフォームされています。

晩ごはんは、囲炉裏端でみんなでいただきます

左は囲炉裏のある居間。苫屋さんは夕食提供型のお宿。地元野菜を用いた素朴な味わいのごはんを、宿主さんたちや宿泊のみんなでいただきます(そらうみと同じ)。

やまぶどうが地域の特産品

BGMは鳥のさえずりや、囲炉裏の薪が焼けて弾ける音。掛け時計が「コッチンコッチン」と時を刻みます。

何があるかと言えば、何も無いがある。と言った雰囲気。他愛もない話だけでごはんとお酒が進みます。

ドリンクメニューはアルコールの他に「山ぶどうジュース」。町の道の駅などでも購入することができる、野田村の特産品です。

 

明るい時間から食べ始めたごはんは時が過ぎ、日没と共に解散。とても心静かに休むことができました。

 

苫屋で過ごす朝の時間

薪が燃えて弾ける音で目が覚める

朝。囲炉裏のにおいで目が覚めました。

とっても良い香り

居間を覗いてみると、火から少し離れたところでおにぎりが炙られていました。

朝ごはんに期待を持ちつつ、ドギーの散歩がてらお宿の周辺を歩いてみます。

きれいな水

道路を挟んで反対側を流れる小川。水はとてもきれいです。

屋根から立ち上る湯気

苫屋さん建物を見上げると、屋根にしみ込んだ湿気が囲炉裏から起きる熱によって蒸発。湯気となって立ち昇る光景を見ることができました。
更に上部を眺めて見ると、草が生えているのが見えます。どこだって雑草は強いですね。

宿主さんも旅人

置いてあったスーパーカブのナンバーは「野田村」

人口4,000人の村に登録された、希少な原付バイク。苫屋さんがあるのは内陸部ですが、野田村中心部は三陸海岸に面した海沿いの街。

明治29年(1896)の明治三陸地震
昭和8年(1933)の昭和三陸地震
平成23年(2011)の平成三陸津波→東日本大震災

各時代ごとに地震やそれに伴う津波によって、壊滅的な被害を受けてきました。そのたびに立ちあがってきた人々の力強さに感服です。

里の恵みがたくさん

お楽しみの朝ごはん。シンプルながら土地の恵みを感じるには十分な内容でした。

 

苫屋の作り手さんたち

噂の宿に来ることができました

苫屋の作り手・宿主さんご夫婦と、そらうみ宿守・ドギーの記念撮影(ドギーはいつもの車中泊)。

ご主人は自分と同じ兵庫県出身。全国全世界を旅された中で、東北の岩手の野田村に縁があって暮らし始め、旅人宿をオープンすることができた、とおっしゃっていました。

便利ではなく、不便。
豪華ではなく、質素。

忙しない現代社会に追われている者にとって、苫屋さんの「時が止まった感」は貴重な存在であり、旅人ならその雰囲気を一度味わって欲しい。同じく宿屋を運営する者として、とても感じました。

 


関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です