顔は日本のイヌだけれど足がとても短い。南大東島には独自の進化を遂げた「大東犬」呼ばれる特徴的なワンチャンがいます。
大東犬
*「ワンチャンと大東まで!」
「ええ、足の短い犬同士会わせたくて」
「大東犬ってどこへ行けば会えますか??」
*「●●さんところへ行けば、居るんじゃないかな」
大東犬はどこもここも居るわけじゃありません。ましてやこの初夏の陽気。地面により近い短足犬を日中歩かせたらそれは虐待です。事実、ここまで南大東島に居て犬の姿を見ることができていません。
そこで島民さんに尋ねるとこちらのぽんちゃんを紹介してもらいました。
なぜ足が短い?
南大東島に人類がやってきたのが明治33年(1900)。八丈島の開拓者たちに連れられて大東犬の祖先たちもやってきました。
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以後約100年の時を経て外界から隔絶された南大東島で近親交配が繰り返され、いつからかこのような容姿になっていったそうです。
足が短くなった理由は「環境適応」との噂。台風などにより大風が吹く大東諸島では風が吹いた時に重心が高いと飛ばされてしまう。それゆえ風を受けにくい低重心の姿勢になった。俗説の一つではあるけれどなかなか面白い話。
生物全体の歴史からすれば僅か100年程度の短い期間。進化ってそんな短いスパンで起こるものなのでしょうか?不思議なワンちゃんたち。それが大東犬です。
短足犬サミット
日本を代表する短足犬である大東犬を旅犬ドギーと表敬訪問することは、ミニチュアダックスフントの飼い主として夢の一つでありました。ドギーがいたおかげで再び南大東島に来ることも叶って、それもおかげさまです。
大東犬の性格は一般的に、
「主人には忠実でごく近い間柄の人間と過ごすことに幸せを感じるが、人慣れはあまり良くない」
これを猟犬気質と呼ぶのだそうです。
ダックス=犬
フント=アナグマ
※ドイツ語
ドイツ原産のダックスフント。元々は猟師のパートナーで人間が入ることができないような穴へ入り、アナグマやウサギ等をおびき出すのが彼らの本来の仕事。うちのドギーは愛玩動物ですが…
大東犬はどうなんでしょうか。性格こそ猟犬気質ですが大東諸島は絶海の孤島ゆえ動物が多く生息しているイメージはなく、狩りはあまり行われなかったような気がしています。またハブのような危険動物や猛獣、すなわち外敵となる生物が大東諸島には目立って存在するわけでもありません。
やや荒めのその性格がどのように形成されたのか気になるところです。これが競走馬の世界であれば、血が濃すぎると(=近親配合、インブリード)体質が弱かったり性格に難がある仔を見ることができます。それに近い血統理論があるのでしょうか。
大東犬のおさんぽ風景
突然の犬連れの訪問に応じて下さってありがとうございました。訪問の後ぽんちゃんともう一頭、名前は忘れてしまいましたがおさんぽに出かけていきました。茶色い子は大東犬には認定されていないそうですが足は十分短いですよね。
やっぱり足の短い犬はかわいい!