toggle
2019-10-23

一番海に近い駅の今昔<下灘駅/愛媛県伊予市双海町>


日本一海から近い駅

そのように称される鉄道駅が四国愛媛にあります。近年インスタの聖地として大勢の方々が訪れるこちらの駅は、どのような場所なのでしょうか。ブーム以前に、うちの旅犬ドギーと訪ねた時のお話です。

日本一海から近い駅

駅へは国道378号から分岐して旧道へアクセス

その駅の名は「下灘駅(しもなだえき)」
松山から30km弱南下した地点。自家用車で訪問する場合は、国道378号を旧道方面へ分岐します。

列車で目指す場合は、松山や伊予大洲・八幡浜など。それぞれ直通列車があります。
しかしながら便数が少ないので、前日に乗る列車を調べてから休むようにしましょう(=翌日の行動予定を立ててから寝る)。

加えてこの辺りのJR路線は新線/旧線があり、同じ行き先、例えば「八幡浜行き」となっていても経由地が異なる場合があります。下灘駅へは旧線の「長浜経由」を利用しなければ到達することができません。詳しくは鉄道知識が豊富なご友人にお尋ねください。

下灘駅(しもなだえき/愛媛県伊予市双海町)

昭和10年(1935)6月、予讃本線・伊予上灘駅が一駅延伸した際に開業。同年同月、鉄道省で女性車掌第一号が誕生しています。

同年10月には早くも伊予長浜駅まで延伸開業しているので、下灘駅は少しの期間だけ終着駅だったことになります。

 

乗客と沿線住民の理想的な関係

列車通過時刻が掲示されています

下灘駅があるこの区間は「愛ある伊予灘線」の愛称が設定されていて、観光列車「伊予灘ものがたり」が走っています。

列車に手を振ろう

伊予灘ものがたりが運転されている沿線区間で、積極的に行われている乗客への手振り運動。

当地に来てくれた乗客さんへ、感謝を表す何よりのおもてなし。存続危ういローカル線にとっては、乗車してもらうことが最大限の助けになります。
乗客にとってはおもてなしを受けることができて、沿線住民にとっては鉄路存続の力になる。素敵なwin-winの形がここにあります。

 

下灘駅を一躍有名にしたポスター

歴代最多登場の下灘駅

下灘駅を有名にしたのは、青春18切符のポスター。過去3回の登場は全国のJR駅で最多回数です。

有名なシチュエーション

当初の謳い文句は「海に一番近い駅」

このことに旅人たちが呼応する形で、下灘駅の存在が知れ渡りました。現在は線路と海との間に拡幅された国道が通っているので、必ずしも海が一番近いというわけではありません。

と、そんなことはいいです。潮騒の音に行き交う車の音が混じるようになっただけで、ロケーションは変わりません。

 

瀬戸内海を望むロケーション

改札越しに見える海は瀬戸内海

駅舎を通り抜けプラットホームに繰り出します。駅下の道路が見えない角度においては、今でも「海に近い駅」は変わりません。

JR四国規格の駅名標

元祖「海に一番近い駅」
他に類を見ない開放感は健在です。

開放感を助長するもの

下灘駅ノスタルジーを助長するものとして、

クラシックなフォントの駅名標

電柱巻きの駅名標。昔国鉄の行先表示で用いられていた「国鉄フォント」でしょうか。現存しているものが少なく、貴重な品です。

 

駅のプラットホームから、瀬戸内海に浮かぶいくつかの島が見えます。

松山沖の忽那諸島(くつなしょとう)と呼ばれる島々や、周防大島こと山口県の屋代島(やしろじま)。面白いところでは、バラエティ番組に登場する「ダッシュ島(=由利島)」が見えていたりします。

ドギーの駅たずね

駅名標とドギー。今は大勢の方々が様々な目的で下灘駅へ訪れるので、こうもいきません。

 

列車が入線

上り列車

上り・松山方面行きの列車がやってきました。

当区間はご覧の通り、線路上に架線が設置されていない非電化路線。電気を受けて動力を発生させる電車ではなく、燃料を燃焼することで動力を発生させる気動車(きどうしゃ)で運行されています。

絶対性能において気動車は電車より劣りますが、架線を張らなくて済むことにより風景がすっきりする、エンジンの音や排気の匂い、トコトコ走る情景など、ローカル線としての風情は非電化路線の方が良いです。

国鉄型の昭和製造車両

国鉄キハ54形気動車が入線。水色のラインは伝統的な四国カラーです。

JR化を控え四国や北海道に導入された国鉄の置き土産車両。当時は老朽化車両の置き換えのために製造されましたが、それも導入から30年を超えました。香川県の高徳線や徳島県の牟岐線では順次新型気動車が導入されていることを考えると、車両の置き換えが待たれます。

 

流行りのSNSスポット

心苦しい注意書き

近年、下灘駅はインスタグラム等のSNS好スポットとして、訪問者が急激に増えたようです。

久しぶりに駅に降り立ってみたら、

平日の曇天でもこの通り

平日・曇り・日中
にも関わらず、大勢の人々が駅にいました。

休日・晴れ・夕方
であれば、夕陽を求めての訪問者が加わります。

注意書きがすっかり増えました

列車や駅は、本来鉄道利用者のためのもの。そのことを留意して旅を楽しむようにしましょう。

 


関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です