飼主が想う情操教育の一環で旅犬ドギーをお花畑に連れて行くことがあります。イヌの目にはどう映っているのか分からないところではありますが、花を愛でる心を持つ優しい犬に育って欲しいと願っています。
広棚花の里
ドギーと飼主が暮らす四国高松からそれほど遠くない徳島県美馬市脇町(とくしまけんみましわきまち)の山間部。開けた斜面に一面芝桜が広がる場所があります。
伝え聞いたお話では、先祖代々受け継がれた土地を荒らしてしまっては申し訳ない気持ちと、病気を患って先が長くない母親の最期をお花畑で迎えたい。三姉妹さんたちが力を合わせてコツコツ造ったお花畑が今や街の名所の一つに数えられるほど一面シバザクラが咲き誇る場所になりました。
お花畑だけ切り取って見ると明るいピンク色で眩しいほど。
この場所に限っては団子より花。上に下に忙しい。美しい。
菜の花だって負けていない
咲くお花は芝桜だけではありません。周辺には広く菜の花が植えられています。
この場所のように山の上でこれだけの規模で菜の花畑が広がっているのは珍しいのではないのでしょうか。全国どこでも見ることができる花ではありますが飼主個人的に最も好きな花でもあります。どの場所でも菜の花単体として見ても嬉しくなる花ですが、旅先の目的として菜の花鑑賞を入れるのであれば鹿児島県指宿市の「開聞岳/924m」周辺に広がる菜の花畑をおすすめします。
開聞岳(かいもんだけ)は「薩摩富士」とも呼ばれるその山容がとても美しいお山。ただでさえ秀峰ですが更に花を添えることになる開聞岳周辺の菜の花畑は、ぜひ死ぬまでに一度はご覧頂きたい日本を代表する風景の一つ。1月から2月にかけてが見頃です。
ドギーと開聞岳を登った時の記事です。
奥に見えているお山のピンク色はもちろん桜の花によるもの。
美馬市脇町の桜の名所・八百萬神之御殿(やおよろずのかみのごてんのさくら)。標高約400mの山上に約8,000本もの桜の木が植えられています。
春の山道を走っていると眺める山に山桜が咲いてところどころがピンク色ということがありますが、山のある部分が集中的にピンク色というのはなかなかありません。現地で桜のトンネルをくぐるのも良いですが少し離れて向かいの峰で眺めるのもお勧めです。
初めて訪れる春
ドギーは夏生まれ(6月5日誕生)なので生まれた年は春の花は見ていません。初めて訪れる「春」がどのような季節かを感じてもらうために今回この場所へ連れてきました。
警戒心が強い子なので新しく来た場所・見るもの・出会うものはとりあえず警戒します。けれどドギーにしては珍しく芝桜の絨毯をしばらくじっと眺めていました。彼なりに花の美しさに見とれていたのでしょうか。
ドギーは見ての通りの毛色ですが菜の花畑に居るとなんとなく花の色と同化しているように見えてくるから不思議です。
自分にとって初めての犬なのでどう教育するのが正しいのかがわからず常に手探りのしつけですが、心優しく、そして色んな所に一緒に旅することができる立派な旅犬に育ってもらえれば、と思います。