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そらうみ旅犬ものがたり

中国地方一の高さを誇る鉄橋<小鳥原第一橋りょう/広島県庄原市>

中国地方を東西に横断する芸備線。路線名は安芸國と備中國を接続することに由来する鉄道路線です。

一日3往復、日中は1往復だけの乗車チャンス

 

中国地方一の高さを誇る鉄橋

その芸備線の一部区間が100円の収入を稼ぐために25,000円余り費やしているという日本一の不採算路線であることが公表されたのは、記憶に新しいところです。

「東城~備後落合」
広島県北東部。岡山県との県境に接する地域であり、鳥取・島根との県境も近い。すなわち中国地方のクロスロードとも言える場所で、実際に鉄道が交通の主役であった時代は備後落合駅には機関区が置かれ各県を行き来する人々の結節点として大いに賑わったそうです。

現代はそれらの県の都市同士を結ぶ交通機関は整備された高速道路を走行する高速バスに取って代わられ、1日数便の各駅停車が細々行き来する閑散路線になってしまいました。前述の通り規格外の不採算路線であるため存亡の危機に立たされていると言っても過言ではありません。

 

中国地方で一番高い鉄橋

小鳥原第一橋りょう(ひととばらだいいちきょうりょう)

全長:146.2m
高さ:30m
完成:昭和11年(1936)

高さ30mは中国地方では最大。JR西日本管理下においても余部橋りょう(兵庫県)に次いで2位。

東城~備後落合間に存在する当鉄橋の完成によって新見(備中神代)と広島が鉄道で繋がりました。以来幾多の列車がこちらの鉄橋を渡り、山陰山陽の行き来する旅人を見つめてきたことになります。

現在は1日3往復にまで便数が減り、1便は明け方。3便は夜に走行するため夏至など日が長い季節はともかく冬期間に明るい時間帯に走る列車は2便だけになり、鉄橋を渡る列車をはっきり見ることができるのは上下1本ずつしかチャンスが無いことになります。

弧の外側から鉄橋を撮影。アーチが美しい

令和5年(2023)4月現在、
3/23に備後八幡-内名駅間で発生した落石に新見発備後落合行きの普通列車が接触して脱線。これにより当橋梁を含む東城駅-備後落合駅間が不通になっています。過去には同様のケースで廃止された岩泉線(岩手県)の例がありますが、芸備線に関しては5月を目途に復旧を目指すことが明言されています。

災害の有無関わらず今後の存続が限りなく不透明な芸備線の同区間。廃線の報が出ると少ない列車に大勢の人々が殺到して、ローカル線感を楽しむことができなくなります。(今は運休していますが)乗車するのであれば早いタイミングが賢明であるように感じます。

 

ドギーと芸備線乗車

雪降る備後落合駅から1日3便の東城方面行きの列車にドギーと乗車しました

この時は青春18きっぷの時期ではなくご覧の通りの天候の日だったので駅は一層閑散。乗客も我々の他に1名いらっしゃっただけでした。

 

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今回訪れた場所

備後落合駅(びんごおちあいえき)

日程

令和5年(2023)2月


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