道路・鉄道において高低差が大きい場所の勾配緩和を目的にループ線が設けられることがありますが、こちらは高知県西部にあるループ線区間。当地の地名から「川奥信号場(かわおくしんごうじょう)」の名前が付けられています。
弧を描くレールを駆け上がる列車
下(=中村方面)から来た列車は一旦トンネルに入り曲線を走行しながら坂を駆け上がり、トンネルから出たところで他路線と合流します。丘の上には線路が二線敷かれているので列車の退避や追い抜きが可能なわけですが、転線が可能な線路の形状がはさみ(Scissors)の形に見えることからこちらの構造をシーザスクロッシングと呼びます。
この場所にやって来るのは特急あしずり・南風や土佐くろしお鉄道の各駅停車。予土線の列車。特急列車を先行させるために谷側に敷かれた線路上に停車し、列車交換が行われる風景をここでは見ることができます。
予土線の列車は下りトンネルに入らず直進しますが、それを出た先が家地川駅。四万十川本流に設けられたダムがある場所です。
川奥信号場を覗くドギー
周辺に民家は無く列車往来時以外はとても静かな場所。下から列車が駆け上がって来る列車はトンネル進入時に汽笛を鳴らしますが、山々にこだまするその音が迫力満点です。